H.SELMER　Mark VI　Tenor Sax with Silver Plated Keys　Serial No：150XXX　【Vintage】

H.SELMER（フランス・セルマー）
マークシックス　テナーサックス with Silver Plated Keys　シリアルNo：150XXX　【ヴィンテージ】

フラセル Mark6のヴィンテージテナーサックスです。シリアルナンバーから1967年〜1968頃のものと思われます。こちらの個体は管体はラッカー仕上げで各キーやカップが銀メッキ仕上げとなっておりますが、銀メッキはリプレートされたものではなく元々こういった仕様の個体でオリジナルのマークVIです。主に当時のヨーロッパ市場で見られた仕様で、同年代のSELMERのプライスリストにも標準的なラッカー仕上げと共にこの仕様もラインナップされていました。日本ではあまり見かけない珍しい仕様ですが、デックスことデクスター・ゴードン氏がこちらと同じ仕様のMarkVIを使用していたのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

ネックのトーンホール真下の支柱先端付近にややヘコミがあり、ベルフレアの折れ修理もされておりますが現状でもやや折れの状態が残っています。演奏する分には特に問題なくお使いいただけますが気になる方は修理も可能です。なお、こちらは委託品のため修理をご希望の場合は別途料金となりますので予めご了承ください。

年代相応をヘコミ修理の跡などは見受けられますがしっかりと修理されており、その他は使用に伴う擦りキズやラッカー・メッキの剥がれなどは多少あるものの、良く吹き込まれた個体ということもあり音の抜け・鳴りの良いサックスです。タンポの状態も良好ですので当面の間は交換の必要はないと思います。良い具合に調整もされており、まさにプレイヤーズホーンと言える個体です。

鳴りも良く低音から高音まで音の繋がりもスムーズで深みのあるセルマーサウンドが楽しめます。フラセルらしさのある音のまとまりと、従来とは異なる仕様による影響もあると思いますが図太さのある音の中にも程よい音の芯を感じ味わい深い音色を持っています。音にまとまりがあるといっても音がフォーカスし過ぎることはなく、適度な音の広がり感もありますので豊かに鳴らすことができます。

一風変わった仕様ではありますが吹き込まれたことによって出来た風合いの変化は渋みがあり、従来のラッカー仕上げのフラセルMarkVIとはまた違った音色が楽しめます。鳴りも良く即戦力で使えるサックスです。デックスが使っていたあの仕様と同じMarkVIをお探しの方にもお薦めです。


■委託品
■管体：オリジナルラッカー
■各キー及びカップ：オリジナルシルバプレート
■High F#キー付き
■フラセル彫刻有り
■反射板：プラスチックブースター
■調整済み
■付属品：MarcoMagi　Vintage Series　テナーサックス用セミハードケース　【ブラック】　【USED】

【SELMER MarkVIについて】
今もなお世界中のジャズプレイヤーが愛用し続けているセルマーの名器とも言えるマーク６。MkVI は1954年頃から1973年頃までの約20年あまり生産されたサックスで、シリアルは5万番代後半から24万番代前半までとなっております。Mk6は反応・操作性の良いオクターブメカニズム、連動式テーブルキーの採用や、S.B.A(スーパーバランスアクション)から採用されたキーのオフセット配列をよりフィンガリングの操作性を向上するために角度を変更するなど、様々な改良を加えられました。現代のサックスの模範とも言えるMkVIの誕生によってセルマーはサックスマーケットでの地位を確立したと言っても過言ではありません。

Mk6にはフランスセルマー(フラセル)とアメリカンセルマー(アメセル)があり、それぞれに違いを持っています。ジャズマーケットを意識して生産されたアメセルはクラシックマーケットを意識して生産されたフラセルと比べるとラッカー塗装が薄く、その分管体の振動効率を損なわないため音の抜け、鳴りがよくなっています。また、アメセルは楽器を組み上げてタンポもつけた状態でラッカー塗装をしたため、オリジナルタンポにはラッカーがかかっているのも特徴のひとつです。ほかにもフラセルとアメセルとでは彫刻模様や調整など様々な違いがあります。